在宅医師の殺人事件について

仕事などなど

在宅医師の銃殺事件後しばらくは、携帯触ってニュースを目にするだけで気分が悪くなるのでネットから遠ざかってました。

とても地域に貢献したいという思いが強い医師だった様子が伺え、さらに悲しいです。

医療者側も患者側も色んな人がいますが、どうやっても取り返しのつかない殺人までいってしまったのが残念でたまりません。おそらく今回身の危険を感じて、大人数で訪問していたのでしょうがまさか銃がでてくるとは、、、。銃されなければ、、、。男性7人いたら刃物なら何とかなったのでは、刺されても即死でもなく警察すぐ突入できたので助けれたのでは、、、、。という思いがふとした時によぎります。

医師へのご冥福を、という文言をよく見かけますが殺されてしまってはどうしようもないです。冥福ってなんでしょうね、、、。全く顔見知りでもない方ではありますが、憤りを感じずにはいられません。

では今回の死を無駄にしないように、医療者は何ができると考えてもネガティブなことしかない気がします。トラブル患者・家族へは親身にならず警察へ、危険感じる家族がいる御宅へは入らない。今回の医師も7人で訪問し無防備に行ってはいなかったのに、こんなことが起きてしまった。となると危険と感じる人物が家の中にいるのであれば、そこには訪問しないしか手立てはない気がします。命を差し出して仕事をする必要なんて、どんな職業にもありませんから。

医師・看護師・薬剤師歯・歯科医師、どんな医療者も経験したことがあると思いますが、正しい医療を行い適切な対応をしていても不満をぶちまけられることがあります。それも丁寧な不満ではなく、荒っぽい方法をもって。

飲んだら病気がすぐ治る薬なんてありませんし、経過をみながら診断をつけることもあります。調子が悪い=医者に会えば、待たされずにすぐ色んな検査もできて、すぐ治る薬がもらえて元気になる!なんてことはありません。人間は単純な機械ではないです。

そして年を重ねれば、臓器も老います。老いて弱った臓器は若返らないため、どうやったら日常生活苦痛を感じない程度に調整できるか。薬も量が多くなれば副作用も出やすくなるので、そのさじ加減をしながら医師は投薬などを調整しています。そして全ての人に最期は必ずあるものであり、本人家族が納得する形で苦痛なくその時が迎えられることが理想的と思います。

それには医療者の適切な対応は当然必要ですが、それだけではどうにもならない状況が少なからずあるのです。本人・家族が認知症で話が通じない、精神的に問題がありコミュニケーションがとれない、色んな巷の嘘で溢れかえっているなんちゃって医療知識の方が主治医の意見より正しいと信じ込んでいる、などなど。

そのような「トラブル」は、ある一定の割合で現われます。どんなに診療が立て込んでいる時の疲れよりも、このようなどうしようもないトラブルに巻き込まれた時の方がとてつもなく疲れが多くストレスフルに感じます。

患者が来たら基本診察は拒否できす、診察室で無理難題を強要したり暴言はいたりして医療者は「丁寧に」説得を重ねるぐらいしかできないのが実際の現場です。日本も性善説を前提に進んでいくのが色んな分野で限界ですし、寿命もただ長く長くといった医療方針にブレーキをかける保険上のルールをつくるのも一つではないかなとぼーっと思っています。

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