検診結果みてますか?? 1⃣高血圧症

仕事などなど

多くの方が年1回の検診を受けていると思います。結果をみてAやB判定(つまり全て正常)だった場合はまた来年!と思って過ごして良いかと思いますが、C判定以上の場合すこしどんな内容だったかみてほしいです。問診をしていると、要受診になってたけど体調いいから何もしていないわ〜と聞くことが時折あり、せっかく時間を割いて検診しているのにもったいないなと思います。

私は主に生活習慣病を扱う科の医師ですので、今回はいわゆる高血圧症、脂質異常症、糖尿病などに関して伝えたいなと思いことを記載しようと思います。

どの疾患も、遺伝的要素と環境的要素が組み合わさって各々の人に数字となって現れると思います。遺伝的要素はどうしようもないのですが、環境的要素は生活の中で工夫することは可能です。自分の体は今どのような状況で、どのように生活すると改善とはいかなくても悪化を防げるかということを把握するといいです。把握しているのと、していないのでは長期的に大きな違いを生み出します。

①高血圧症というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準が用いられます。 

まずは検診で血圧がC判定以上だった場合は、自宅でリラックスした状態での測定を1、2週間でもしてみると良いです。検診の時に看護師さんに測定されるだけで緊張して、血圧が上がってします方もいますので、自宅での血圧が135/85mmHg以下であればひとまずは問題ないです。しかし自宅で測定しても大方超えてしまう場合は高血圧症と診断されます。

高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因で高血圧を起こすものをいいます。それに対し、日本人の大部分の高血圧は、それらの原因のない、本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、アルコール、ストレス、運動不足、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。なかでも、日本人にとって重要なのは、食塩の過剰摂取です。

ご自身が高血圧症だと認識したら内科医師と栄養士のいる病院の受診を勧めます。その際に自宅での血圧測定の推移を持参してもらえると診察がスムーズです。ひとまず内科を受診されると、二次性高血圧症を引き起こす様な疾患の有無を、医師が身体所見や年齢等から診察した上で必要と判断すれば血液検査等にて検査しますので安心です。

本態性高血圧だった場合でも即内服が必要な場合もありますが、軽度であれば栄養指導の受診がまずは良いです。日本高血圧学会は、高血圧患者における減塩目標を1日6g未満にすることを強く推奨しています。しかし和食は脂質は控えめな一方、塩分に関してはどうしても過多摂取になりやすい食事です。そこで栄養士さんと普段の食事スタイルを話し、今の塩分摂取状況、そして改善するにはどう工夫ができるかといった話を個別に受けることができることはとても重要です。体重が多めであれば、減量への取り組みへのアプローチも可能です。口から摂取するもので、体はつくられています。食事生活が問題あるままでは、薬を服用して数値は改善するかもしれませんが、また徐々に悪化し薬を追加といったことになってしまいます。逆に内服を開始しても、生活改善にて血圧が下がり薬を終了するが可能になることもあります。薬は飲み始めたら一生飲まないといけないと思っている方が時々いますが、決してその様なことはないです。

血圧が高いだけでは自覚症状はほぼないですが、全身の血管というホースに常に高い圧力がかかっている状態です。徐々に血管が弱くなり、古いホースが破れるように血管が切れます。切れてからでは、元の生活に戻れなくなるのでできるだけ身体不自由なく過ごせる健康寿命をのばすためにも検診は受けるだけなく結果を注意してみてほしいなと思います。

糖尿病に関してもまた近いうちに記載します。

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