ヒルドイドローション 軟膏について思うこと

仕事などなど

少し前に話題になっていたヒルドイドローションなどの保湿剤。保険診療で処方されることも多いです。アトピー性皮膚炎などの子供にとってや、老人でも医薬品での保湿をしないとボロボロになる方にとっては重要な薬品です。

ヒルドイドソフトなどは、皮膚炎患者に対して保湿剤として処方されますが、皮膚疾患のない人への処方が行われていることがあるのも事実です。製造メーカー(マルホ株式会社)も事態を重くみて、「化粧品などと同様のものであるかのような紹介は控えてほしい」「患者が自己判断で治療以外の目的で使用することは、副作用発現リスクもある」旨のコメントを発表し、適正使用を求めています。

しかし、大きな病院で勤務している場合は適切な保険診療をしっかり伝えて処方しないということが比較的しやすいですが、個人医院で勤務しているとどうしても患者さんからのクレームとしてかえってくることもあり断りにくい状況があります。皮膚炎がないから、ドラッグストアで保湿剤が欲しいならニベアみたいなものを購入しても問題ないと思いますと伝えても、他のところではもらえるからじゃあ他でもらうわ!みたいになることも多いです。また、在宅診療をしていると施設入所の患者さんはほぼ100%といっていいほど、皮膚炎もないのにお風呂上りに使用するからと処方依頼があります。ヒルドイドの先発品は単価もかなり高価です。できるだけ、皮膚の綺麗な方には市販の保湿剤を購入することを依頼(このように説明してもそうですね!と理解を示してくれる施設はわずかです、、、)、購入することは不可と断言されてしまっても後発品を指示しています。

限られた医療資源・医療財政、できるだけ子供の世代、またその次の世代まで継続されるには、自分だけよければよいではなく何が適切かといったことを考えることが重要だと感じます。ヒルドイド、ヘパリン類似物質含有外用を医師が処方するときは、疾患名をカルテに記載します。本当にその疾患名に値するような所見があるのか考えてほしいです。また医師側としても、いいよ~と欲しいだけ処方する医師がいる限り、適正使用を心掛ける医師は患者からは「意地悪」とされかねません。そうなってくると国が処方を規制したほうが、診療しやすいのではないかと思えるときもあります。しかし、規制されないと適切なことができないといった日本になるのは悲しいですし、本当に必要な皮膚疾患の方が困るのも問題ですし。 医師はドラッグストアの店員ではないのです。これとこれが欲しいから頂戴、くれないなら他にいくわと言われると、虚しい気分になります。必要な対価を支払っても欲しいと思う方は今は薬局で買えます。保険で負担額が低いから皮膚炎はないけど処方でもらうというのは、どんな影響を社会に与えるかと考えてもらえたらと思います。

楽天市場でも簡単に購入できます。




ヘパリン類似物質と記載している外用はこの類のものです。ジェネリックといえども、値段はそこそこしますね。皮膚炎もないのであればドラッグストアの保湿剤で十分ではないかなと、思っています。美容的に取り上げられたようなミラクルなものでは決してありませんので。

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